事故物件のお祓いは、物件の浄化や購入者・入居者の心理的負担を軽減するためのもの。
神職や専門業者による祈祷・供養によって亡くなった方の魂を慰め、物件の環境を整える役割を行います。
事故物件の売却や賃貸をスムーズに進めるためにも、お祓いの具体的な流れや依頼先の選び方、費用相場について知っていきましょう。
事故物件とは
事故物件とは、過去に自死・他殺・火災・孤独死など、人が亡くなった経緯のある不動産を指します。
不動産業界では「心理的瑕疵(かし)物件」とも呼ばれ、購入や賃貸を検討する際に敬遠されやすい傾向があります。
事故物件を所有する場合、売却や賃貸のハードルがあがり、価格の大幅な下落も避けられません。そのため、売却を検討する際には、できるだけ買い手の不安を払拭する工夫が求められます。その一環として、お祓いを行うことが有効な手段となります。
事故物件でお祓いをする
メリット
心理的な安心感を得られる
お祓いをすることで、所有者自身や次の買主・借主が感じる不安を和らげることができます。
特に、事故が発生した物件に対しては「何か良くない影響があるのではないか?」と考える人も多いため、お祓いを行うことで少しでも安心感を与えられます。
物件の価値を向上させる
事故物件は市場価値が下がりやすいですが、お祓いをして清めた物件であることを説明できれば、買い手にとっては安心材料となります。その結果、売却や賃貸の際に大幅な値引きを避けられる可能性があります。
物件のトラブル回避
事故物件では、購入後に「気味が悪い」と感じる住人が出てくることもあります。
お祓いをすることで霊的な問題や心理的負担を軽減し、トラブル防止が期待できます。
事故物件でお祓いをする
タイミング
事故物件のお祓いは、以下のようなタイミングで行うのが効果的です。
事故発生後、清掃が完了した
タイミング
事故発生直後は特殊清掃などの対応が必要な場合が多いため、お祓いを行う前に清掃を済ませておくことが重要です。
清掃完了後に僧侶や神主に依頼し、適切なお祓いを行いましょう。
売却・賃貸前
物件を売却・賃貸に出す前にお祓いを済ませておくことで、次の所有者・入居者に安心感を与えられます。
内覧時に「この物件はお祓い済みです」と説明できると、通常の事故物件よりも心理的ハードルを下げられるでしょう。
入居前・引越し前
自分で住む場合や、新しい入居者が決まった場合にも、お祓いをすることで多少なりとも安心して生活を始められます。
新しいスタートを気持ちよく迎えるためにも、有効なタイミングです。
事故物件のお祓いの
費用相場
お祓いにかかる費用は、宗教・儀式の内容・依頼する専門家によって異なりますが、神社や専門の業者に依頼すると30,000円~100,000円程度が相場です。
特別な供養や儀式を含むお祓い、遠方の僧侶や神職に依頼する場合は別途費用が発生することもありますので、事前に見積もりを確認し、適切なプランを選びましょう。
事故物件でお祓いをする際
の注意点
お祓いを実施する際には、以下の点に注意が必要です。
信頼できる専門家に依頼する
お祓いを依頼する際には、実績のある神社・寺院・僧侶・霊能者を選ぶことが重要です。
口コミや評判をチェックし、安心して任せられる専門家を見つけましょう。
形式にこだわりすぎない
宗教や信仰によってお祓いの形式は異なります。神道・仏教・スピリチュアル系など、さまざまな方法があるため、自分に合った方法を選びましょう。また、買い手や借主が信仰する宗教に配慮することも重要です。
お祓いだけでなく、
環境改善も考慮する
お祓いをしても、物件の状態が悪いままでは買い手や借主の不安は拭えません。
清掃・リフォーム・インテリアの変更なども併せて行い、快適な環境を整えることが大切です。
契約前に説明責任を果たす
事故物件を売却・賃貸する際は、買主や借主に過去の事実を説明する必要があります。
お祓いをしたとしても、心理的瑕疵の事実を隠して取引することは法律違反となる可能性があるため、十分に注意しましょう。

