マンスリーマンションは不動産会社が仲介する場合は告知義務があるため、事故物件であることを知らせる必要があります。ただし、事故物件は敬遠されがちではありますがマンスリーマンションのように短期での滞在、一時的な仮住まいとなれば心理的な抵抗感が和らぐ一面もあり、一定の需要は見込めます。
告知義務を隠して契約しても消費者が調べる方法はあります。契約後に知られてしまえば心理的瑕疵から契約解除を迫られるリスクもあるため、告知して安く貸し出すようにするのも戦略となるでしょう。
事故物件の活用策として広がる「マンスリーマンション」とは?
マンスリーマンションは1カ月以上の単位で借りる賃貸物件です。家具や家電付きであるのが一般的で、審査や手続きがシンプルで手軽に借りることができます。
数ヶ月単位の「短期入居」をターゲットにした賃貸スタイル
マンスリーマンションは1カ月以上1年未満の短期入居をターゲットとしているもので、出張や単身赴任、自宅の建て替え、ワーケーション、お試し移住などに適しています。
光熱費は定額で請求されることが一般的で契約手続きも簡単で長期で暮らすよりも心理的抵抗を下げやすくなっていますが、短期利用を前提としているため1カ月当たりの家賃が割高に設定されます。
知っておきたいマンスリーマンション経営の3つのメリット
マンスリーマンション経営のメリットを3つのポイントで解説します。
一般の賃貸よりも「高い家賃設定」ができる
マンスリーマンションは日割りや月割りでの短期貸し出しができますし、契約期間が短くなるほど賃料単価が高くなる傾向もあり、家賃を高めに設定することができます。また、家具家電付きで利便性が高く部屋が清潔に使えるなど付加価値もあるため、築年数が経過していても家賃水準を維持して安定した収益を得ることができます。
敷金・礼金がなく、入居者が集まりやすい
マンスリーマンションは短期利用を前提としているため敷金や礼金がかかりません。水道光熱費初期費用を抑えることができるため、初期費用を抑えたいユーザーに対して高い集客力が期待できます。
また、家具家電付きという条件を合わせることで短期滞在者のニーズを高めることができますし、オンラインや郵送、メールなどで契約がすぐに行えるため空き室期間を短くすることができます。
定期借家契約のため、不良入居者を排除しやすい
マンスリーマンションは一般的な賃貸物件と異なり定期借家契約となるため、契約期間満了で契約を終了、自動的に退去となります。トラブルを起こす入居者を合法的に退去させることができるため居座られる心配がほとんどありません。
また、入居時には全額前払い、月ごとの前払いなど「前払い」が基本となるため入金を確認してから契約できますし、入金が確認できなければ契約満了として契約を解除することができるなど確実に賃料が得られます。
マンスリーマンションには「告知義務」がある
事故物件をマンスリーマンションにする際には、「告知義務」に気を付けなければいけません。ホテルとして運営する場合は旅館業法が適用される宿泊契約になるために告知義務は対象外となり法的義務を負いませんが、マンスリーマンションは違います。告知義務を無視して貸し出してしまうと、契約解除や損害賠償請求を求められる恐れもあります。
マンスリーマンションは「賃貸借契約」のため告知が必要
マンスリーマンションを不動産会社の仲介で管理する場合、ホテルのように契約が短期間でも賃貸借契約を結ぶことになるため宅地建物取引業法に基づいて国交省のガイドラインに沿った告知義務を負うことになります。
- 室内での自死、殺人
- 火災や爆発などの事故死
- 長期間放置された孤独死
これらの事案が生じた場合、おおむね3年間は告知すべきとされていますが、事案から3年以上が経過していても入居者から直接問い合わせがあった場合は正直に答えなければいけません。
参照元:国土交通省「宅地建物取引業者による人の死の告知に関するガイドライン」(https://www.mlit.go.jp/report/press/content/001426603.pdf)
隠してもバレる!消費者が「事故物件」を見抜く方法
事故物件であることを隠していても、消費者に事故物件であることを気づかれてしまう恐れがあります。周辺のマンスリーマンションと比べて賃料が不自然に安い、室内のリフォームが一部だけ新しくなっているなど、不信感を与える要素があれば「事故物件では?」と疑いをもたれる可能性があります。
また、現在ではネットで物件名を検索したり事故物件公示サイトをチェックしたりすることで、事故物件であるかどうかを比較的簡単に調べることができます。告知義務をおこたった状態で契約してしまうと、事故物件であると知られてしまうと賃料の全額返金や違約金なしの即時解約、慰謝料請求などのリスクがあります。事故物件であることを隠しておくことは不可能であり、正直に告知することが大切です。
一般の所有者がマンスリー経営で挫折する3つのリスク
マンスリーマンションの経営は管理業務やトラブル対応などの面から、一般の所有者が行うのは簡単ではありません。ここでは、経営で挫折する3つのリスクについて紹介します。
告知義務のせいで、結局は「空室リスク」に悩まされる
事故物件である場合は告知義務を負うため、積極的に入居を希望する人はどうしても少なくなってしまいます。営業力、集客力が不足すると空室リスクは避けられません。いざ入居者が決まっても短期入居ですぐに次の入居者を探す必要があり、安定した収益の確保が困難となります。
家具家電の用意や清掃費など「初期投資・維持費」がかさむ
マンスリーマンションは家具家電付きであるのが一般的ですから、入居者がすぐに生活できるように環境を整えるための初期投資がどうしても大きくなってしまいます。また、タオルやシーツの交換、アメニティの補充や、入居者が入れ替わるたびの清掃、修繕が発生するなどランニングコストもかかります。
水道光熱費は定額で賃料と一緒に支払うことになっていますが、実際の使用が想定を超えるとオーナーの手出しが発生します。
自主管理の負担が重く、精神的ストレスが消えない
自主管理する際には鍵の受け渡し、入居中のクレーム対応、退去時の立会いなどの管理業務が発生するなど手間や時間がかかります。別に本業がある場合は大きな負担となり、精神ストレスもかかるためスムーズな運営は困難です。
また、短期間での契約となることから入居者が入れ替わる旅に契約手続きが必要となります。
無理に経営を始めずに専門の買取業者という選択
個人でマンスリーマンションを管理するのではなく、専門の買取業者に依頼をすれば運営の手間から解放されます。ここでは、買取業者を利用する際のメリットについて紹介します。
告知義務があってもそのままの状態で買取
事故物件であってもそのまま売却することができますし、立地や築年数によっては相場に近い金額で売却できる可能性もあります。売却できればまとまった現金を手に入れられます。物件を所有することによる定期的な清掃、管理、固定資産税の支払いなど管理業務から解放されます。
家具家電の設置もリフォームも不要。初期投資「0円」で処分
マンスリーマンションとして経営するために必要となる家具家電の設置やリフォームをすることなく、初期投資0円の状態で売却することができます。現状のまま引き取ってもらえるため、余計な手間や費用が掛かる心配がありません。個人に売却するのではなく業者に直接買取をしてもらうため仲介手数料もかかりません。
売却後のトラブル(契約不適合責任)が免除される
個人に売却すると引き渡し後に物件に問題が見つかった場合損害賠償請求などのトラブルが起こる恐れがありますが、プロである買取業者は事故物件の扱いにも慣れているため売却時に事故内容について説明することで契約不適合責任が免責されるケースがほとんどです。引き渡し後の補修、トラブルの責任を負うことなく売却することができます。
ただし、すべての買取業者が免責できるわけではないため、事前に確認すること、契約に盛り込むことなどが重要です。
まとめ
事故物件をマンスリーマンションとして再生することは、相応の資金と管理の手間がかかるだけでなく、告知義務を負う覚悟も求められます。頻繁な契約や清掃などの管理を本業と別に続けるのは簡単ではないため、無理に自分自身で経営するのではなく専門の業者への買取も視野に入れてみましょう。売却後の責任を問われることなく、速やかに現金化して管理の手間、精神的負担から解放されるでしょう。

