事故物件をフリーレント活用する方法や売却について調べている方もいるのではないでしょうか。ここでは、フリーレントにするメリットや、国交省が定めた「3年の告知義務ルール」をわかりやすく解説しています。そのうえで、賃貸経営を続けるべきか、手放すべきか検討していただけると幸いです。
事故物件の賃貸活用で注目される「フリーレント」とは?
事故物件の賃貸活用で注目されているフリーレントシステムとは、どのようなものなのでしょうか。ここでは、フリーレントとはどのようなものかまとめ、大家側のメリットなどについても解説しています。
一定期間の家賃を「無料」にして入居者を募るシステム
賃貸物件を貸す・借りる際、最初の数ヶ月間のみ家賃を無料にする制度のことをフリーレントと言います。一般的に、フリーレントの期間は1ヶ月ほどに設定するケースが多く、その期間は家賃は発生しないのが特徴です。
フリーレントが適用されるケースは、家賃のみの場合が多く、共益費や管理費といった費用には適用されないため無料になりません。このシステムを活用することで、長期間空室を避けることができ、家賃を減額をするより早く入居が決まる可能性が高く、リスクを低減しながら空室対策を行えます。
また、最初の1ヶ月は家賃無料とすることにより、事故物件特有の心理的ハードルを下げられるため、初期費用を抑えたい入居者を引きつける手法であると言えます。
事故物件を「フリーレント」にする大家側の3つのメリット
事故物件をフリーレントにすると、大家側は月額家賃を維持したまま実質的な値引きが可能になるほか、初期費用を抑えたい人を集客できるなどのメリットが期待できます。ここでは、大家側のメリットをご紹介します。
月額家賃を維持したまま実質的な値引きが可能
長期間部屋が空いていると、その間家賃が入ってこないことになります。そのような状況で思い浮かぶ対策と言えば、家賃の減額です。しかし、一旦家賃を下げてしまうことにより、すでに入居中の方から家賃減額の交渉もあるほか、何か大きなプラスとなるメリットをつけなければ元の家賃に戻すことが難しくなるリスクも。
フリーレントを利用することで、長期間空室が続いてしまっていたとしても、空室が埋まる可能性があります。しかし、安く借りるだけ借りてすぐに退去する方も出てくるため、フリーレントをつける際、短期解約には違約金をつけるなどの対策をしておくのが重要です。
初期費用を抑えたい層に強く刺さる
引っ越し費用を浮かせたい若者や単身者からの需要を狙えます。引っ越しをするとなると、入居者にとって気になるのが初期費用です。まとまったお金が出ていくため、生活を圧迫しかねません。特に学生や新社会人、転職・単身赴任で急な出費を控えている人、そして計画的に資金を節約したい層に需要があります。フリーレントシステムを活用すれば、初期費用を抑えることができ、引っ越しにかかる負担を軽減しやすいでしょう。
短期解約違約金でリスクヘッジができる
短期解約違約金でリスクヘッジができるのもメリットです。フリーレント物件の場合、多くの物件が特約として違約金を設定しています。フリーレントの契約書の多くでは、所定期間について定められ、それより前に中途解約して退去する方に対し、解約違約金の支払義務を課す特約条項が含まれています。
「1年未満で退去した場合はフリーレント分の家賃を違約金として徴収する」という特約をつけることにより、すぐに退去されるリスクを防げるでしょう。
事故物件を絶対に隠すべきではない理由
フリーレントを活用する際、「事故物件のことは隠しておきたい」と思う方もいるのではないでしょうか。結論から述べると、フリーレントであっても事故物件について隠すべきではありません。隠すことにより、さまざまなデメリットが生じてしまうからです。ここでは、事故物件を隠すべきではない理由について解説します。
今の入居者は「フリーレント=訳あり?」と疑って調べる
現在、ネットで調べると事故物件サイトやSNSの情報で、事故物件かどうかは調べられます。事故物件であれば、物件名だけで調べた際にニュースが出てくることがあります。また、物件情報をチェックしたときに、告知事項あり・心理的瑕疵ありなどと記載されている物件は、事故物件の可能性も。また、明らかに周辺物件と比較して家賃・初期費用が安かったり、入居条件がゆるい場合は事故物件の可能性があると考える入居者もいるため、注意が必要です。
それだけではなく、近隣への聞き込みでも、消費者は簡単に事故の事実を見抜ける時代になっているため、隠し通せるものではありません。
告知を隠すと「告知義務違反」で大損するリスク
例えば、もし隠して入居が決まった方がいたとします。しかし、事故物件だと後から発覚した場合、契約解除だけでなく「初期費用や引っ越し代の全額返金」「精神的損害の賠償」を請求されるリスクが高まり、大家側が大きな負債を抱えることに。そのような悪い噂はインターネットやSNS、口コミサイトに情報が拡散されてしまうこともあり、ほかの管理物件も含めて入居率が激減、不動産経営にも悪影響を及ぼしかねません。
そのような事態を避けるためにも、正直に開示してフリーレントなどで誠意を見せることが大前提だと言えます。
賃貸なら「3年」持ちこたえれば告知義務が消えるというルール
賃貸なら「3年」持ちこたえれば告知義務が消えるというルールが知りたい方もいるのではないでしょうか。ここでは、賃貸の告知義務に関する法律についてご紹介します。
国交省のガイドラインによる「概ね3年」の基準
賃貸契約における自殺や他殺、特殊清掃が入った孤独死などの告知義務は、「事案発生から概ね3年間」と定められています。
告知義務とは、物件の中で発生した人の死・事件など、賃貸を希望する人に心理的な影響を与える可能性のある事実について契約前に伝える義務のことです。 賃貸契約では、原則として3年後に告知義務がなくなります。
参照元:国土交通省「宅地建物取引業者による人の死の告知に関するガイドライン」 (https://www.mlit.go.jp/report/press/content/001426603.pdf)
3年を過ぎれば、原則として通常募集が可能になる
3年間フリーレントや低家賃にて、誰かに貸し出す、もしくは空室のまま維持できれば、4年目以降は次の入居者に過去の事故を積極的に告知する必要がなくなります。※社会的影響が強すぎる凶悪事件などは除きます。
「3年間耐える」のは苦しい直面する3つの壁
「3年経てば解決する」という見通しがあっても、現実的にさまざまな問題が発生するリスクがあります。直面する3つの壁については、以下の通りです。
- 3年間、空室のままでも固定資産税や管理費はかかる(赤字リスク)
- 「また何か起きたら」「入居者とトラブルになったら」という精神的ストレス
- 売買契約には「3年の時効」がないという罠
費用や精神的ストレスを抱え続けるリスクもあるため、3年も待つのが苦痛な場合は、売却を検討するのも1つの手段です。賃貸は3年で告知義務が消えます。しかし、将来的に「物件そのものを売却したい」となった場合、売買契約では10年経っても20年経っても告知義務(無期限)が残るため、注意しなければなりません。結局、将来手放すなら今売却したとしても同じだといえるでしょう。
持ちこたえる自信がないなら清算できる「専門の買取業者」へ
事故物件の売却を検討する場合、一般の仲介業者ではなく、専門の買い取り業者へ依頼するのが望ましいです。買取専門業者へ依頼すれば、リフォームや特殊清掃をはじめ、残置物の片付けも「現状のまま」でOKなことが多いです。この章では、なぜ専門業者へ依頼した方がよいのか、詳しく解説します。
理由①:告知義務があっても関係なし!プロの業者がそのまま買取
一般の入居者や買い手を探す必要がないため、3年待つことなく今すぐ物件を手放せます。 事故物件は、告知義務の解釈や心理的瑕疵の受け止め方をめぐり、買主との間でトラブルになるケースがあります。
しかし、専門業者へ依頼すると「事故物件である」と承知のうえでそのままの状態で取引を行っているため、後からのクレームになる可能性は大幅に低下します。
理由②:リフォームや特殊清掃、残置物の片付けも「現状のまま」でOK
フリーレントで貸すために、何十万円もかけてリフォームする必要はありません。
また、一般的な不動産仲介業者は専門外のため特殊清掃を行えません。通常のハウスクリーニングとは異なり、体液の除去や完全消臭には専門的な技術と資格などが必要だからです。買取専門業者へ依頼すれば、リフォームや特殊清掃をはじめ、残置物の片付けも「現状のまま」でOKな場合があります。
理由③:売却後のトラブル(契約不適合責任)が免除される安心感
プロである業者が買い取るため、売却した後に「やっぱり事故物件だから」と買い手から責任を追及されるリスクが一切ない点もメリットです。専門の買い取り業者なら、契約不適合責任なしで買い取ってもらえるため、事後のトラブルに発展するリスクがありません。売却後の追加請求やトラブルの心配がない点もメリットです。
まとめ
フリーレントを活用すると、月額家賃を維持したまま実質的な値引きが可能なほか、短期解約違約金でリスクヘッジができるなどのメリットが期待できます。しかし、赤字リスクや精神的ストレスなどの問題点も考慮しておかなければなりません。
また不動産交渉においては、大家側は誠実で信頼できる印象を与えることが重要です。隠すのではなく、礼儀正しく、冷静な態度で接することで相手の好意を得やすくなるでしょう。
フリーレントでの運用や3年の待機は、資金力と精神力に余裕があるオーナーに向いていると言えます。それ以外のケースでは、無理に経営を続けようとせず、プロに引き渡した方が賢明と言えるでしょう。当サイトでは、事故物件売却でおすすめの事業者を紹介していますので、相談を検討している方は、ぜひ参考にしてみてください。

