事故物件は家賃が低くなると聞いたことがあると思いますが、具体的にどのくらい家賃が下がるのかは知らない方が多いのではないでしょうか。この記事では、大手不動産会社の実務データを基に自死や他殺、孤独死が家賃や売買価格にどのように影響を与えるのか、その下落率・相場について解説します。
事故物件の家賃相場はどれくらい下がる?
事故物件になると、家賃相場は実際どのくらい下がるのでしょうか。事故の内容ごとに解説します。
事件・事故の内容による賃料への影響度
事故物件の賃料の低下は20~50%が目安となりますが、事件・事故の内容によって影響度が変わってきます。病死や自然死など事件性が低い場合は賃料下落率が少なくなりますが、事件や自死、殺人など借主の抵抗感が強くなるようなケースでは賃料の下落が大きくなります。
一方、時間が経過している、事故・事件後に別の人が入居したなどのケースでは心理的抵抗感が薄れるため賃料は一般的な相場に戻っていく傾向にあります。
| 事故・事由の内容 | 家賃の減額相場(目安) | 影響が続く期間の目安 |
|---|---|---|
| 他殺(殺人事件) | 約 50% ダウン | 次の入居者以降も5年間は30%件など長期化 |
| 自死 | 約 30% ダウン | 次の入居者(3年間が目安) |
| 孤独死(発見遅れ) | 約 10% ダウン | 特殊清掃が必要なレベルの場合 |
参照元:UR賃貸住宅 特別募集住宅一覧(https://www.ur-net.go.jp/chintai/tokubetsu/)
家賃を下げるだけじゃない!事故物件を「賃貸」に出す3つの現実
家賃が低ければ誰か借りてくれる人がいるだろうと考えるかもしれませんが、現実はそう甘くありません。ここでは、事故物件を賃貸に出す上で知っておくべきポイントをまとめました。
一度下げた家賃は簡単には元に戻せない
家賃を下げるとその価格が市場に記録されて募集サイトに掲載されるなど新しい基準として周知されます。家賃が安い部屋のイメージがついてしまうと、事故物件の告知義務期間が過ぎても入居者の期待値も変わってしまい「この家賃で探そう」という認識になるため相場の家賃に戻すことは難しくなります。仮に家賃相場を戻しても入居者が集まらない恐れがあります。
また、一部の部屋だけ安くなると他の部屋から不満が出て全体の家賃水準が下がりやすくなるリスクもあります。
孤独死などの原状回復費用・特殊清掃の負担
事故物件は、遺体の発見が遅れた場合は床や壁の解体、消臭といったリフォームが必要となります。基本的には借主の遺族が負担することになりますが、連帯保証人や保証会社に費用を請求する手続きが煩雑ですし、遺族やオーナーにとって精神的な負担も大きくなります。
また、連帯保証人がおらず保険でもカバーできなければ所有者が負担しなければいけない恐れもあります。時間や手間、費用がオーナーに負担としてかかってきます
「安さ重視」の入居者対応による管理の手間
事故物件であるという心理的瑕疵を気にしない層がターゲットとなるため、家賃の安さだけを求める人や外国人の入居が増えます。文化の違いや家賃滞納などのトラブルが起こるリスクが高まり、かえって管理が大変になる可能性があります。
リスクを回避するために支払い能力を確かめる、連帯保証人を立てることや保証会社を利用することを必須にするなどの対策が求められます。
「売却」を選んだ場合の価格相場と、よくある誤解
事故物件を売却する場合、相場はどのくらい減額されるのでしょうか。よくある誤解と合わせて解説します。
売買における事故物件の減額相場(中古マンション・戸建て)
売買の場合でも、賃料と同じように事故・事件の内容に応じて相場が減額されます。
- 殺人など深刻な事件:約50%減
- 自死:30~50%減
- 自然死:発見されるまでの日数経過で約10%減
このように、資産価値が大きく目減りすることに注意しなければいけません。
【要注意】「家を取り壊して更地にすれば大丈夫」の嘘
事故物件となる物件そのものを解体してしまえば告知事務はなくなる、と思うかもしれませんがそれは間違いです。事故物件はあくまでも心理的瑕疵のある物件のことであり、事前に知っていれば住まなかった、買わなかったという欠陥があることを意味します。物件を取り壊しても過去の事件・事故があった事実は心理的瑕疵となりうるため告知義務は残りますし、土地の取引価格でも相場の5%程度が減額されるなどの影響が出る可能性があります。
解体費用と固定資産税の負担が増える恐れがあるため、独断で更地にすることはおすすめしません。必ず専門の不動産会社に相談し、判断することが大切です。
賃貸で耐えるか?今すぐ売るのか?後悔しないための損益分岐点
事故物件を所有している場合、賃貸で続けるべきか売却すべきかを判断するポイントは、減額した家賃で耐えられるかどうかです。詳しく解説しましょう。
毎月の赤字を垂れ流しながら3~5年耐えられるか?
家賃を30~50%減額し、リフォームや固定資産税を払いながら数年間空き室リスクを抱えてでも続けるだけの価値や余力があれば、賃貸で耐えることも選択肢となるでしょう。
しかし、売却すれば減額はありますが、すぐに現金を得ることができます。減額した家賃で続けることが精神的な負担になり、割に合わなかったり楽になりたいと考えたりするのであれば、売却を検討することをおすすめします。
事故物件を相場以上に高く手放せる「専門の買取業者」
事故物件でも専門の買取業者に売却すれば現状のままで速やかに現金化することができます。仲介では買い手が見つかりにくい事故物件でも、買取業者に直接売却すれば手続きがスムーズで家賃下落からすぐに助けてもらうことができるでしょう。
相場に縛られない適正買取が可能
買取業者は事故物件を投資用物件、リノベーション前提で再販するなど独自の活用ルートを持っているため、物件の価値を最大化して買い取ってくれます。自社でリフォーム部門を持っていれば通常よりもコストを抑えて修繕できるため、より良い条件で買い取ってもらえる可能性があります。
特殊清掃やリフォームの費用は「0円」で現状渡しOK
売却するときにオーナー側が部屋を清掃、リフォームする必要がなく、そのまま売却することができます。残留物がある場合も。そのまま引き渡し可能です。
買取業者は特殊清掃、リフォームについてのノウハウも持っており、新たな入居者が住めるように再生できますし必要に応じて更地にする選択肢も持っています。リフォーム、清掃代金など何十万~何百万円もの費用をかけずに済みます。
売却後のトラブル(契約不適合責任)が免除
専門業者が買取を行うため、契約不適合責任が免除され売却後に隠れた不具合、心理的瑕疵について売主が責任を問われることがありません。買い手から購入後に損害賠償を請求されるなどのリスクがなくなります。
売却後のトラブル、クレームがなくなるため心理的負担が軽くなります。また、短期間で売却できすぐに現金化できます。
まとめ
事故物件を賃貸物件として管理する場合、家賃の値下げをせざるを得ません。一度下げた家賃を戻すのは大変ですし、空き室や安いことを重視する入居者とトラブルが起こる可能性もあるなど大きな手間や負担となります。
事故物件を売却すれば心理的・金銭的な負担や不安から解放されます。仲介よりも速やかに現金化できますし、売却後のトラブルリスクも回避できるため信頼できる買取業者を探し、相談してみることをおすすめします。

