事故物件とはいえ、仲介によって一般市場から売却することは不可能でありません。ただし、買主が現れるまでに長期間を要する可能性があるうえ、仮に買主が現れたとしても大幅な値引きを要求される可能性もあります。値引きに応じて売却したとしても、契約不適合責任などの売却後のトラブルに発展するリスクも残ります。仲介での事故物件売却を検討している方は、これらの負の部分もしっかりと理解しておくようにしましょう。
事故物件を「仲介」に出して買い手(買主)は現れるのか?
事故物件を仲介に出した場合でも、買い手(買主)が絶対に現れない、というわけではありません。ただし一般的な物件とは異なる条件が付きやすく、売却までの過程にはいくつかの制約が生じる点を押さえておく必要があります。
仲介で買主が現れても対象は「安さ重視層」に限定される
事故物件は、一般的な住居目的の買主からは敬遠される傾向があります。そのため仲介で買い手が見つかる場合でも、対象となるのはとにかく価格の安さを優先する人や、賃貸経営を目的とする不動産投資家に限られやすいのが実情です。マイホームとして住むことを目的とした一般の買主が現れるケースは、決して多くはありません。
相場より2〜5割の大幅な値下げが必要になる
事故物件を一般市場で売却する場合、相場価格のままでは買い手がつきにくいため、一般的には相場より20%〜50%ほど値下げして売り出す必要があるとされています。心理的な抵抗感を価格でカバーする必要があるため、通常の物件よりも大幅な値引きを前提とした売却活動になりやすい点は理解しておきましょう。
売却期間の長期化で数ヶ月〜数年売れ残るリスク
買い手の対象が限られることから、売り出してから半年から1年、場合によっては数年単位で売れ残るケースも珍しくありません。この間も固定資産税や管理費などの維持費は発生し続けるため、売却が長引くほど所有者の負担は大きくなっていきます。
事故物件の「仲介手数料無料」は本当?仕組みと知っておくべき注意点
「仲介手数料無料」という言葉には魅力を感じやすいものですが、その裏側にはどのような仕組みがあるのでしょうか。無料が成り立つ理由と売主として見落としがちな注意点について、順を追って詳しく見ていきましょう。
「仲介手数料無料」が成り立つからくり(片手取引)
「仲介手数料無料」をうたう不動産会社の多くは、買主側からのみ仲介手数料を受け取る片手取引という形態を取っています。売主に対しては手数料を求めない代わりに、買主側の手数料や自社での買取を前提とした集客によって利益を確保する仕組みです。
つまり「無料」とは、コストがゼロになるのではなく、負担する相手が入れ替わっているだけともいえます。無料という言葉の響きだけで判断せず、その裏側にある収益構造を理解しておくことが大切です。
無料だからといって「得をする」とは限らない
仲介手数料が無料になっても、必ずしも得をするとは限りません。まず、買主を早く見つけるために相場を大きく下回る価格での売り出しを迫られるケースが多く、手数料の節約分以上に売却価格が下がってしまう可能性があります。また、たとえ手数料が無料でも、いつまでも売れ残ってしまえば、その間の固定資産税や管理費といった維持費がかさみ、結果的に赤字になることも珍しくありません。
なお、仲介である以上は契約不適合責任が免除されるわけではなく、売却後に問題が見つかれば所有者が責任を負うリスクも残ります。
事故物件を「仲介」で売り出す際の3つの大きなデメリット
仲介での売却には、値下げや長期化以外にもさまざまな負担が伴います。ここでは、事故物件を仲介で売り出す際に特に注意しておきたい3つのデメリットを見ていきましょう。
広告掲載で近所に事故の事実が知れ渡る
仲介で売り出す以上、ネット広告やチラシへの掲載が避けられず、物件の情報が広く公開されることになります。その結果、近隣住民に事故の事実や売却活動をしていること自体が知れ渡ってしまう可能性があります。また、特殊清掃業者やリフォーム業者の出入りから事故物件であることが判明するケースもあります。
周囲に知られずに売却を進めたい方にとって、これらは大きな心理的負担となるでしょう。
内覧対応や交渉での精神的な負担が大きい
内覧の場では、「事故の場所はどこか」「どのような亡くなり方をしたのか」といったプライベートな質問を受けることも少なくありません。こうしたやり取りに加え、値下げ交渉で買い叩かれることもあります。これらのやり取りは、売主にとっては大きな精神的ストレスにもなりかねません。
売却後の損害賠償リスク(契約不適合責任)
個人の一般買主へ売却した場合、契約不適合責任は原則として売主が負うことになります。そのため売却後、事前に告知していなかった問題が見つかると、損害賠償や修繕費用を請求されるリスクが残ります。売却したからといって、売主の責任が完全になくなるわけではありません。
事故物件は「仲介」より「専門買取業者への直接売却」がおすすめな理由
仲介にはさまざまなデメリットがある一方、専門買取業者への直接売却であれば、それらの負担を避けられる場合があります。以下、直接売却が選ばれる理由を整理してみました。
- 仲介手数料そのものが「0円」(自社直接買取のため仲介手数料が発生しない):「仲介手数料無料」の会社を探す必要がなく、業者との直接取引なので手数料は一切かからない。
- 買い手を探す期間ゼロ!最短数日で即現金化:長期間売れ残る心配がなく、維持費の払い損や精神的ストレスから今すぐ解放される。
- 周囲に一切知られず完全秘密厳守で売却:ネットやチラシで売却活動をしないため、近所に知られることなく手放せる。
- 「契約不適合責任が免責」され売った後の不安もゼロ:プロ(宅建業者)への売却なら、売却後に何かあっても元の所有者が責任を問われることは一切ない。
- 特殊清掃・リフォーム・残置物処分も「現状のまま」引き取り:自費で清掃費や遺品整理費を出す必要がなく、そのままの状態で買い取ってもらえる。
まとめ
事故物件とはいえ、仲介でも買い手が見つかる可能性はありますが、大幅な値下げや売却の長期化、近所に知られるリスク、売却後の法的トラブルの可能性など、さまざまな負担がつきまといます。「仲介手数料無料」という言葉に魅力を感じる方もいるかもしれませんが、そもそも「専門業者による買取」では仲介手数料がかかりません。売却後の契約不適合責任も免除されることを考慮すれば、初めから専門業者の買取を選んだほうが賢いとも言えます。

